
90BPM TAKEOVER × Main Sourceも間近!トーキョーのビートシーンを司るあの男に迫る
“LAビート”と呼ばれる音楽のカテゴリーがある。東京において、この音楽に深く触れるには欠かせないパーティー、”90BPM TAKEOVER” 。本場LAのレーベル(で且つ、パーティそのものとしても存在してきた)”LOW END THEORY”とも密接に関わりながら、今日まで開催されてきた。”90BPM TAKEOVER”のオーガナイザーであり、中目黒のアンダーグラウンドシーンを築いてきた重要人物 “3” こと、イシイさんの正体を少しずつ書き記していく(まずは少しだけ)。
LAビート、そしてMr.3
LAビートとは、その名の通り、アメリカ西海岸で生まれた音楽で、議論はありつつもHIPHOPの一種、あるいは枝分かれした先の進化系とも言えよう。HIPHOPのスピリットを感じさせる野太いビートに、刺激的なエレクトロの要素が加わり、新しく、実験的な要素を兼ね備える。
ここでは簡単に、90BPM TAKEOVERはそんな音楽を東京流に堪能できる場所、とお伝えして支障ないだろう。本場LAの”LOW END THEORY” の頭首 “Daddy Kev” 、代表的アーティスト “Nobody” や “Great Dane” などをゲストに迎えての開催もあり、足を運んだ人の度肝を抜く伝説的な空間を構築してきた。
それは東京のビートシーンにおける名物的人物 イシイさん(当メディアの記事で複数回に渡り “Mr.3” と紹介してきた人物)によるオーガナイズだ。
この度は、イシイさんの過去をちょっとだけ垣間見る時間にします。

イカレたビートを野に放つようになったきっかけ
クラブ業界において、オーガナイザーを務める人物は、本人も長らくDJをやってきて、自身が理想とするパーティをつくるべく、オーガナイザーを務めるケースが多い(そしてゆくゆく、オーガナイザーとしての役回りを中心的に行うようになったり)。しかし、イシイさんの場合は、ここに行き着くまでの流れが興味深い。
「とにかくフライロー(Flying Lotus)の曲をかけたくてね。かける奴誰もいなくて。かけづらいやつ。MACDという、12inchだと3枚組か。ビートが、こう、$%&#!$&#$ ってやつ(笑)」
ファッション関連の仕事の関係で、中目黒のクラブSolfaでPlayすることになった(その当時のことをSolfa店長CASHYさん目線から:
新たな大人の集い場 “COUNTER CLUB” が下北沢にOPEN その背景と歴史をraudicaことCASHYの半生とともに紐解くpart2)彼は、手法などは詳細には分からないが、空気を読むことなど一切せず、とにかくかけたい曲を嫌という程フロアに放ったそうだ。
では、ずっとクラブミュージックやビートミュージックが身近だったかというと、そうではなかったようだ。

実はバンドマンだった学生時代
当時、UKの “Cocteau Twins” というバンドのコピーをやっていて、イシイさんはギターを担当。「 でも当時はデジタルではできないから、シーケンサーなんて高くて買えないし。エフェクター買うのに必死で。それを、どうやったら完璧にできるかな、ってやってたらどんどん人が増えていったんだよね(爆笑) 」とイシイさんは話す。
リズムマシーン、ベースは2人(内一人はギターのアンプに入れて硬いリードベースに、もう一方が通常のベース)、ギターは3人、エコー系のエフェクターを複数づかい、そんな状態だったそうだ。謂わば、人力シーケンスを作り上げていた。
イシイさんは、リバーブを逆回転でかけて、且つ、生音は切ってエフェクト音しか出てない状態のギターのアルペジオで弾き語りをやったりもしていたそうで、そんなときには、「ライブハウスの人が、ぶっ壊れてんじゃねえか、って見に」きていたという。 その当時から、音楽の思考としては既に根底となるものができていたことが伺える。
今回の 90BPM×MainSource の見どころ
イシイさんに関しては、迫るべきところがありすぎるので、回を重ねて詳らかにしていくことにしますので、ひとまず、今回のパーティの見どころをご紹介。
今回、中目黒のアングラシーンの最重要人物といって過言でない “DJ QUIETSTORM” 、そしてカルト的に絶大な熱狂を集め続ける日本のHIPHOPシーンの礎的レーベル “BLACK SMOKER” の参謀 “KILLER-BONG”、更に同レーベルより数多くの作品を発表する異端の音楽家 “BLUE BERRY” をゲストに迎えての開催。
また、90BPMのイシイさん、そしてMain SourceのオーガナイザーのMIZUBATA氏のバースデーが共に1月6日であること、そしてゲストDJのQUIETSTORM氏、現在イシイさんが強く信頼を置くベテランDJ RUI氏(G.P.D)も同様に1月生まれであることから、このタイミングに開催することが決定した。
凄まじいビートに溺れながら、新年の祝い、そして生誕祭を、刺激を求める皆様と楽しめるのがひたすらに待ち遠しい。
Jan6th / 2020
Interview & Write: Jasmine
All Photograpies: eharamen
= イベント情報 =

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