
CCS records 色に共感し、ボーダーを超え続けるクルーの正体 part2
近年活発な動きを見せている福岡のカルチャーシーンにおいて、独特な色彩を放ちながらその存在感を拡大させているクルーがいる。
CCS records。音楽、アート、グラフィック、アパレル、ビートメイキングといった複数のジャンルを横断的にカバーする3つのセクションを立ち上げ、それぞれをミックスさせながら活動を行う表現集団だ。
突如として福岡のカルチャーシーンに現れ、それぞれの活動で影響力を拡大させている一方、CCS recordsそのもののルーツや全体像は謎に包まれている。今回、そんなCCS recordsのレコーディング現場にTRENCHANTディレクターのJasmine が潜入。あらゆる表現のボーダーを飛び越えて活動を続ける彼らのルーツ、思想を紐解くべく行ったインタビューを行った。第2回目の今回はCCS recordsのビートメイキングセクションであるMellow Fellow Botanicaについて、さらに複雑にジャンルを横断するメンバー構成に迫った。
顔の見えないビートメイキング集団
―活動の部分でいくと、残るはビートメイキングのMellow Fellow Botanica。こちらは、また別でビートメイカーを内包しているんですか?
BUGS :
そうですね。そもそも、CCSの中でもビートメイキングについては俺が単体で動いてて。要するに、曲を作って提供するのは俺だけだったんです。そうやって動いていると、ビートメイキング周りで色んなつながりができていって。
そういうつながりの中から、俺が好きだと思うビートを作っていたり、好きな音楽が共通していたりする人たちを集めて、「週末」のためにビートを作った、というのがMellow Fellow Botanicaの始まりなんです。
メンバーは俺とNADOと、あと4人いて。久留米のやつらが多いんですけど。
―その4人は、個人での活動をしつつMellow Fellow Botanicaのクレジットも持って、ビートを提供してくれたり、という感じ?
BUGS :
そうですね。あとは定期的にミックスみたいなやつも作ってたりします。まあそれは本当にSoundCloudレベルで、遊び感覚なんですけど。
pen :
Mellow Fellowができたとき、僕とbillはアメリカに行っていたんですよ。
―というと、いつごろですか?
pen :
2018年の2月くらいですね。
僕が大学卒業して、就職してすぐくらいのタイミングなんですけど、billが「アメリカ横断に行こう」って話を持ち掛けてきて。それで会社辞めて、二人でアメリカ行ったんです。そしたらその間にMellow Fellowが出来てた (笑)。
BUGS :
逆にこっちからすると、僕は普段「週末」のやつらとしか会わないから。二人がいなくなると、必然的にビート作るやつらとばっかり会うようになったんです。そのうちに「(Mellow Fellowを)作っちゃおうよ」みたいな感じになった。
―その結果、知らない間に一つチームがが増えていた、と(笑)。
pen :
そう。でも考えてみると、CCSでは僕とbill以外はみんな音を扱えるやつらなんですよ。DJとか、ビートメイカーとか。だから、それもあったのかなと。
―面白いですね。cheese cheapと週末が出来て一年くらいでMellow Fellowも。一気に色んな方向に展開したんですね。
BUGS :
そうですね。色んな事ができるようになったかな。
―話を聞く感じだと、Mellow Fellowのビートメイカーの4人は、どちらかというと個人の活動を持ちながら、協力してくれてるという感覚が近いのかな。
BUGS :
いや、そこはやっぱりファミリーという感覚ですね。
bill :
うん。ただ、ビートメイキングのチームとしては、メンバー紹介とかで構成をオープンにするよりも、ビート発信で興味を持ってもらうほうが魅力的なんじゃないかな、と。
BUGS :
だからメンバーの写真とかがあるわけではないですし、フライヤーとかにもロゴだけ載せるようにしてます。Mellow Fellow Botanicaということさえ分かれば、あえて正体を明かす必要はないのかなと。
またがるジャンル、CCSの家族構成
2016年の夏から2年に満たない期間で、次々と活動を展開してきたCCS records。特徴的なのは、それぞれのメンバーが複数のセクションにまたがって活動しているということだ。
―ここまで、CCS recordsにおける3つのセクションそれぞれのルーツや活動を伺ってきました。個々のメンバーがジャンルをまたがって動いているという点が凄く印象的なんですが、それぞれ活動ごとにアーティスト名を分けていますよね?
BUGS :
そうですね。俺は歌うときはBUGSでやってて、ビートを作るときはBunny Beatsでやってます。
pen :
僕は一つだけですね。絵を描くときも、歌うときも全部。
―bill君はどうですか?
bill :
週末でラップするときはbillですね。あとはカメラもやっていて、そのときはaloneって名前でやってます。
―カメラもやってるんですね。フォトグラファーとしての活動も、CCSとの紐付けがある形ですか?それとも個人として、という感じ?
bill :
CCSとの関わりはあります。たとえば、pen君が作った作品(アパレル)とかのルックを撮ったりとか。
―何かを露出させるとき、写真は常に方法の一つになりますからね。今日はいませんが、NADO君は他にアーティスト名を持たれてるんですか?
BUGS :
north NADOとNOSKの2つかな。歌うときがnorth NADOで、DJがNOSK。
―NADO君はDJ、ラップ、デザインと幅広く関わっていますよね。ビートメイクもやってる?
BUGS :
ビートメイクはちょっとかな。この4つでいくと、より遊びに近い感じだと思います。
―なるほど。CCSの家族構成が、より鮮明に見えてきた気がする。
(part3に続く)
Interviewed by Jasmine
Edited by kohei
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