Point of View case 02

狼煙、枝折、電話、SNS ——— 離れた人と情報を共有する手段。

時代とともに、伝えられる情報はより素早く、より具体的になった。

口を閉じ、目と耳を塞いで、低く唸ってみる。

呼気で喉が震える。

奥歯から頭蓋骨の中へ、声の振動が、ぼわんと広がる。

誰に向けたわけでもない自分の声だ。

ものすごく近くにある、内側にある自分の声。

この声を感じると、対社会で構築されていた世界は瞬く間に姿を消す。

世界は私だけ。

世界は私だけ。

世界は私。

もはやそれすら、どうでも良くなる。

photo by mayo.K

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