気品とヤンチャさの織りなすFashionの楽しみ方、ヴィンテージセレクト”LUIK”の魅力を紐解く


三軒茶屋にあるヴィンテージセレクトショップ ”LUIK
アイスグレーのコンクリートの外観に包まれたお店の中には、ニュアンスをたっぷりと含んだファッションアイテムが並ぶ。ミニマルにすっきり数枚の服がラックに、ではなく、各ラックには、絶対に自分が好きなもの出会えそうと確信させるだけの分量のお洋服たちが、表情を孕んで並んでいる。
自慢したい、でも秘密にしておきたい、そんなことを思わせるこのお店の魅力を紐解くべく、ディレクターのシンさんにお話を伺いました。


LUIKができるまで
祐天寺のMen’sのセレクトストア”THREE”と”KATACHI”のオーナーがWomen’sのセレクトストアを立ち上げる構想を持ち、そのタイミングでオーナーの高校時代からの友人のシンさんにディレクターのお話がきたそう。それまでシンさんは、とあるWomen’sのデザイナーズブランドに密着でお仕事をされていたとのこと。2016年から立ち上げに向けて動き、2017年1月にオープンした。



三軒茶屋、祐天寺のミッドナイト・ヴィンテージ・カルチャー
三軒茶屋・祐天寺の古着屋は、深夜まで営業しているお店が多々。知る人にとっては常識だが、深夜にヴィンテージ探索なんて、なんとも胸を高鳴らせてくれる魅力的な文化だ。10年程前から祐天寺、三軒茶屋それぞれで次第にこの文化が根付いていった。そんな祐天寺にオープンしたのが、”KATACHI”と”THREE”。LUIKも、三軒茶屋・祐天寺というエリア、そして、同グループのお店が内包していたカルチャーを踏まえ、同様に深夜まで営業をしている。


ヴィンテージのアイテムはどこから?
今や世界中にある”ヴィンテージストア”。しかし、そこに並ぶひとつひとつのアイテムはどこからくるのか。
シンさんは、LUIKのアイテムを、LAとその周辺(実際には、LAの外でのウェイトが高め)で買い付けているとのことだったので、そのコ達がどこから現れるのかアレコレ尋ねさせてもらった。世界中からヴィンテージアイテムを求めてバイヤー達が集うLA。古着屋で買い付けたり、ディーラーから買い付けたり、”ラグ”と呼ばれる倉庫のような場所から買い付けたり…と様々だが、アイテムの発生源のひとつとして、市民が着なくなった服を大量に手放し寄付をするドネーション文化があるのだ。それらが回り回って、ラグに行き着いたり、フリーマーケットに辿り着いたり…。そしてディーラーは、とにかく足を動かし、眠れるヴィンテージを求め奔走する、という人間の動きがあるのだ。
手元に届いてしまえば、服一着に過ぎないかもしれない。しかし、私達には知り得ぬ旅をして、手元まで辿り着き袖を通しているかと思えば、夢が広がる話である。


LUIKの魅力を解剖
LUIKの軸となるものは?とシンさんに尋ねると、「んー、やっぱアメカジ」とのご返答。私の中でモードな印象が強かったので、一瞬意外に感じたが、数秒考えて腑に落ちた。LUIKのお洋服は、非日常を与えてくれるのに、しっかり日常に落とし込める。着倒せる服なのだ。それは根底にヴィンテージの基礎であるアメカジのDNAが、実はしっかりあるからなんだな、と納得させられた。

「味の無い水を飲まされている、みたいなそういうの嫌なんだよね」シンさんの言葉は、LUIKの店内のお洋服が語ってくるように感じた。外観から一見すると、スタイリッシュなセレクトストアなのかな?という印象だが、店内に入ると、「遊び」が水しぶきをあげて迫ってくる。味がないくらいなら、オシャレじゃなくてもオモシロイものの方が良い、そんなシンさんの思いを体現するセレクトだ。
好きなものに出逢わせてくれること、そして、まだ好みだと自分自身気付いていないものを発見させてくれること。それがこのお店に想いを寄せてしまう理由なのだろう。

Interview: July 14th / 2019
Writer: Jasmine

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